今回はお盆休み時期ということで、この時期だから来られる人、来られない人もいたようです。
札幌は最近涼しくなったこともあって、風邪が流行っている様子。
キャンセルが相次いでしまいました。
予定より少しこじんまりとした会となりましたが、人数が少ない分、一人が話せる時間が増えたかもしれません。
当会としては初めてグループトーク(立場別「上のきょうだい」/「下のきょうだい」年代別「若手」/「ナイスミドル」)を行ないました。
今回は「若手」と「下のきょうだい」の声をピックアップしました。
年代別グループ「若手」
・きょうだい以外、親族にも障害者がいると、そういう家系なのかな?と、遺伝のことが気になってしまう。婚活しているけれど、どこまで遺伝について考えればいいのか、自分は子どもが欲しいのかどうかというところが、自分でもわからない。
・今はまだパートナーはいないが、パートナーができたときに、キョウダイのことをいつどうやって伝えるのがいいのだろうと、まだパートナーもいないのにいろいろと考えてしまう。
・障害の種類によっては、遺伝という部分はあると思う。家庭や親族の性格に影響を受けるということもあると思う。
・もし障害者が生まれたら、と考えると、親がキョウダイにしているような、同じような世話を自分ができるのか、障害者の親としての立場に耐えられるのかわからない。
・結婚を決めた時の決め手は、自分自身が「結婚したい」と強く思っていたことが大きい。結婚相手に求める条件というのはある程度あった。住まいのこと、人柄のこともある。
立場別グループ「下のきょうだい」
・3人きょうだいだったが、親から「2人きょうだいって言いなさい」と言われて、それに従っていた時期があった。キョウダイに対する嫉妬はあった。自分も甘えたいのに、親がキョウダイばかりに手をかけている状況。
・「この子にはちゃんとしてもらわなきゃ」「甘やかしてしまっていいのか?」と、障害のない自分を育てるにあたっての親のスタンスには迷いがいろいろとあったように思う。そのせいか、小学校・中学校ぐらいの頃は周りとコミュニケーションを取るのを苦手に感じていた。キョウダイのことは拒絶していた。
・「何でちゃんとしたきょうだいを産んでくれなかったの?」と言って母親を泣かせたことがある。「自分は被害者だ」という感じがしていた。キョウダイが家の中で騒いでいると宿題に集中できないとか、家に友人を呼んで遊ぼうとしても、キョウダイが騒いでいると恥ずかしいとか、心の休まるときがない。
・キョウダイの元恋人から「不思議なメールが来たんだけど・・・」と相談されたのが、キョウダイの病気に気が付いた初めのできごとだった。キョウダイは自由な振る舞いの人間だったので、自分の方は、堅実に生きていかなければと思っていた。
・いずれはキョウダイの面倒を見るのだから、今だけは遊ばせて欲しい!と思っていた時期もある。
・キョウダイの持っている世界を大切にしてあげることが必要。外に出た時の周りの人の視線が本人も気になっている。そのような視線を向けられると、障害者の方も恐怖を感じて、振る舞いがあまり良くない方向に出ることがある。
・今は昔と比べるととてもたくさん情報がある。障害についての理解があれば障害者を見る視線も変わるのではないか。
全体でのトーク
・自分が若い頃にはこういう会がなかったので、もし自分が今若かったら、こういうところで先輩たちの実体験を聴きたかったなぁと思う。
・自分の他に、障害を持っていないきょうだいもいるが、こういうところにはこない。「きょうだい格差」というのはあると思う。
・きょうだい同士で、男女の違い、立場の違いなどで求められることも変わると思った。障害のないきょうだいもいるが、お互い独身の頃は良くても、パートナーができると、パートナーの意見が優先されてしまう。そうなると、実家のすぐ近くに住んでいても協力を得られず、地理的にずいぶん遠くに住んでいる自分がケアすることになってしまっている。
・障害者との付き合い方がわからない、慣れていない人もいると思うので、押し付けられないなと思う。自分も、実家とキョウダイのことよりも、自分の家族が優先だと思っている。
・障害者を施設に入れていることについて、親は地域の人から非難されている。「きょうだいに面倒を見させろ」などとも言っているらしい。近所の人は敵なのかなと感じる。親も楽をしたくて入所させたわけではなく、家庭が崩壊するような状況になって、苦渋の選択だったにも関わらず、心ないことを言われると、自分も地域の人とコミュニケーションを取ろうと思えなくなる。
・実家の地域は障害者を家に閉じ込めて外に出さないような風習がまだ残っているような地域。近所の人にはわかってくれる人もいるし、そうではない人もいる。わかってくれる人たちとだけ仲良くしていればいいと考えて割り切っている。
・他の人の話を聞いていて、これまで積極的に関わってこなかったからといって、今から背負いこむ必要もないと感じている。何かあった時に連絡を取れるようにしてあれば、それで十分なのではと思う。
参加しての感想
・初めてなので何を喋っていいのかわからなかったが、自分のような境遇の人としては、どんな振る舞いをするのが普通なのかというのが今までわからなかった。今までの自分の生き方はこれで良かったのかと思うところがあったが、どれが正解ということはない、というのが確認できてよかった。
・他の地域のきょうだい会にも参加しているが、どこのきょうだい会でも、共通する悩みというのはあるのだなと感じた。きょうだいの会では、「いい子」でいなくてもいいので、息抜きができる。
・自分だけじゃない、同じようなことで悩んでいるということを共有できて、肩の力が抜けた。自分では悩んでいないと思っていたが、話し始めると、いろいろとあれも訊いてみたい、話し足りない、と思っているのに気が付いた。
・会に参加するまでにも葛藤があった。真面目すぎる、考えすぎだよと人から言われることがある。そういう部分は、キョウダイがいることの影響かもしれないと思う。こういう場でちょっと聴いてもらえるだけでも心が軽くなる。ここでの関わりで得たことを、キョウダイとの関わりにも活かしていけたらと思う。
総括
今回は「(元?)優等生」のきょうだいが多かったような印象です。メンバーは毎回少しずつ違いますが、自分が話すことで自分の中で何かが変わること、他人の話を聴くことで自分の中にある何かが解けることを体験できる場だと思います。
飲み会はこじんまりと4名での実施となりましたが、より個人個人の想いや普段考えていることなどを話すこともできて、今回は、「少人数」という形式のメリットが強く感じられた会となりました。
帯広きょうだい会は9月16日(月・祝)、次回の札幌は10月14日(月・祝)の予定です。
「いい子」の重荷を降ろしに、どんな想いでも、気ままに話しにいらしてください。
お待ちしています。
初めての方もお久しぶりの方もいつもお見かけする方も主催してくださる白石さんも皆様お疲れ様でした。参加したかったです。
世代の違う者同士が正直な気持ちや意見を遠慮なく述べることができるこの会が末長く続きますように。
沼田さん、いつもコメントありがとうございます。
またお目にかかるのを楽しみにしています。