約1年ぶりの対面での茶話会となりました。
この1年は対面もオンラインもイベントを開催しないでいましたが、あらためて、つながりを持つことの大切さ、その場に居合わせたことで起こる気持ちの変化やグループの力を感じ、可能な限り定期的に会を開催していきたいという気持ちになりました。
テーマは「障がいのあるきょうだいの将来について、親の死後のこと」と「学生時代、障がいのあるきょうだいとどのように過ごしていたか?」ということでした。
1つ目のいわゆる「親なきあと問題」については、過去に勉強会をお願いした、司法書士の渡邉護さんに陪席いただいて、質問に答えていただいたりもしました。
<主な内容>
・民法にある「扶養義務」というのは金銭的なことで、生活上の世話(介護)とはまた別。
扶養は3親等内の親族に期待されているが、よほど金銭的に裕福な家のほかは、実際には無理な人がほとんどである。
・きょうだいはそれぞれが自立して生活すること、例えば、障がいのあるきょうだいは生活保護を利用するなど、
制度やサービスを活用して、まずは自分自身の生活を守ることも大切。
・制度その他、その時にならないと本当にはわからない。今は今できることに集中して、気持ちを整理するためのサポートをどこかで得ることが大切。
・理解のない人や、なぜか負担感を増すようなことを言ってくる人もいるが、理解してくれている人たちを大切にすることで、自分も安定するのではないか。余裕があったら、理解者を増やすための行動をするのもあり。
2つ目の、障がいのあるきょうだいとの同居生活については、世代によって経験してきたことなどを色々とお話しくださいました。
悩んでいる参加者の方に対して、具体的に力になれることがないか、みんなで模索したりもしました。
<主な内容>
・相談できる、気持ちを聴いてもらえるつながりはたくさんあった方が良い。相談したくても、役所は平日しかやっていないから時間が合わない状況(生活や学業のため休めない)だと利用しづらい。土日も対応できる窓口を作ってもらえるように投書することにする。なんだったら「いのちの電話」に電話したってよいのではないか。でもフリーダイヤルじゃない。
・親戚が障がいのある人に理解がない。頼れそうもない。経済的にも苦しい状況で、一人暮らししたくても難しい。自分の人生もあるが、一番辛いのは親だと思うとそれも辛い。できるだけ、行動障がいのあるきょうだいと離れる時間を長くしようと思っても、夜遅くに外を歩いていた時に怖い目にあったこともあった。
・デイサービスも利用日数の上限があるので、毎日外で預かってもらえるわけではなく、家族が学校に行ったり仕事をしている時間帯はなんとかなっても、土日などは特に、家族の気が休まる時間がほとんどない。他害やものを壊すこともあるのでとても辛いこともある。
<アンケートより>
・きょうだいの障害はちがっても感じるところ一緒なんだなぁとつくづく思いました。話すだけでも少しでも明るくなれます。
・同じきょうだいでも、みんな色んなことを抱えて、生きてるんですね・・・。久しぶりに「きょうだい児」としての自分を思い出しました。若い方が多かったので、応援したくなりました。
・今日も、さまざまな状況にいるきょうだいたちの話をきいて、共通しているところもあれば、違うところもあり。でもやはり「きょうだい」という共通点で繋がっているんだなぁと思いました。
・きょうだいと言っても、様々な環境で過ごしていて、皆さんの悩みや気持ちを聞けて良かったです。沢山、勉強になりました。
・色々な人の話を聞けて良かったです。
・同じように悩んでいる人や悩んでいた方達の話がきけてよかったです。また、相談したかった件についても聞けたのでとても感謝しております。
参加してくださり、たいせつなお話を聴かせてくださった皆さんに感謝します。
本当に毎回、きょうだいさんたちって、みんな、やさしいなあ、と感じます。
そのやさしさを、自分自身にも、もうちょっとだけ振り向けられたらいいのにな、と思ったりもします。
相談先を増やす、ということばが今日の話題ではよく聞かれました。
たくさんの人に頼ることで、相手にとっての「負担感」も軽くすることができます。軽ければ、支えてくれる人もたくさんいます。
でも、一人の人だけにめちゃくちゃ頼りすぎることは、重すぎて相手も潰れたり、相手に見捨てられてしまうこともあると思います。
その一人の人に見捨てられたくないがために、相手の気持ちを試すような極端な行動をしてしまう人もいますが、そういうことにならないために、頼れるものはなんでも頼る、やな奴もいるけど、いちいち気にせず理解してくれる人を探す、というのができるようになったらいいな、と思っています。
*お詫び*第10回は2021年4月10日の開催でしたが、記事の下書きがアップされないまま月日が経ち、行方不明になってしまいました。ごめんなさい。